[水戸正晴の競馬予想ブログ]サンスポ、水戸正晴の万券を生む血統論「クリノヒマラヤオーが穴中の穴」

[水戸正晴の競馬予想ブログ]サンスポ、水戸正晴の万券を生む血統論「クリノヒマラヤオーが穴中の穴」

2013/06/13

[水戸正晴の競馬予想ブログ]サンスポ、水戸正晴の万券を生む血統論「クリノヒマラヤオーが穴中の穴」

 今週は東京で「ユニコーンS」が行われる。過去5年、1番人気が4勝、2着1回と堅い傾向の中、万券王・水戸はベリートゥベリーを本命視。一方、「函館スプリントS」は、昨年の覇者ドリームバレンチノが人気の中心。

 ユニコーンSは、賞金面から出走権を得ている馬が7頭。が、どれも全幅の信頼は置きかねる。ダートに活路を求め前走を圧勝したサウンドリアーナは、マイル戦で連対を果たしておらず、距離の不安が残る。サマリーズ、チャーリーブレイヴは休み明け。体調が整っているかどうか不安だ。

 ノウレッジは頭打ちの感があるし、ベストウォーリアは、前走の地方交流重賞で完敗している。ヴァンフレーシュは、休み明けの前走で善戦したが、体重がかなり減っていたのが気がかり。ドバイ遠征で体調を崩したと見られるケイアイレオーネも同様だ。

 そんなわけで勢いある900万条件馬に目がいってしまうが、こちらは抽選待ちで、全て出走というわけにはいかない。しかし、魅力的な馬が多く、将来のダート界を背負っていくのでは、と思える馬もいる。

 中でも期待したいのは、ベリートゥベリーだ。前走の500万条件平場を勝ち上がったが、強いの一語だった。いつもどおりの後方待機策。直線を向いて外に持ち出し、矢のような伸びでゴボウ抜き。2着馬に1馬身4分の3の差をつける完勝劇だった。

 前日の雨で軽いダート(やや重)だったが、1分36秒7のタイムは優秀だ。前前走は1番人気で6着と敗れ期待を裏切ったが、スローペースの中、最後方からの追走ではやむをえまい。それでも最速の上がり脚。末脚はピカイチだった。

 そもそも未勝利勝ちの内容もすごかった。小回り中山の1800メートル戦。先行馬有利の流れの中、フルゲート16頭立ての最後尾から追走し、最後は桁違いの末脚で5馬身もの差をつけての完勝劇だったのだから恐れ入る。この時も時計は速く、前走の内容と合わせて見ると、かなりの能力の持ち主であることがわかる。

 すでに9戦のキャリアだが、疲れなどこれっぽっちもなく元気いっぱい。鈴木伸調教師もこう胸を張る。

「以前はひ弱さもあったが、使われるたびに地力強化。本当にたくましくなってきた。もっと早く頭角を現してよかったが、それだけに期待は大きいですよ」

 なるほど、中間の稽古内容はパワフルでいてリズミカル。持てる力を存分に出せる状態にあるようだ。

 父はJCダートを制したイーグルカフェで、一族に米国のダート戦で活躍した馬が多くいる良血。末脚が確かなことを思えば直線の長い東京マイルのダート戦を勝つにふさわしい。良馬場なら混戦に断を下すのは、この馬だ。

 出走権を得ている前述した7頭の中では、ベストウォーリアだ。前走はピリッとせず完敗だったが、これは3カ月ぶりの実戦だったことも多分に影響してのことだろう。使われて良化、動きが軽快になっているのだから巻き返しがあっていい。

 近親に快速を誇ったクロケット(GIミドルパークS勝ち)など活躍馬が多く、こちらも良血。筋肉質でパワフルな走りをする典型的なダート馬でもある。

 穴中の穴は、クリノヒマラヤオーだ。皐月賞で大敗を喫したが、前走の昇竜Sはその疲れが残っていて4着。しかし、この中間は一変。馬体が締まっていい雰囲気にある。控える競馬ができたのは収穫で、今回も上手に末脚を温存できれば、しまいハジけていい。