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「女性監禁暴行魔」裁判傍聴ファイル(2)少女を“メイド”“家畜”扱い | アサ芸風俗

「女性監禁暴行魔」裁判傍聴ファイル(2)少女を“メイド”“家畜”扱い

「女性監禁暴行魔」裁判傍聴ファイル(2)少女を“メイド”“家畜”扱い

2013/09/25

「女性監禁暴行魔」裁判傍聴ファイル(2)少女を“メイド”“家畜”扱い

 00年秋に青森から札幌へと転居すると、パブで知り合った女性と結婚した。しかし結婚生活はすぐに破綻し、知り合いの男性に無断で養子縁組を行うなどしたようだ。

「ハーレムを作りたい」

 いつの頃からか、石島はしきりにそう繰り返すようになった。女性を軟禁状態におき、虐待することが常習化し、女性のことを「メイド」「家畜」呼ばわりする一方、自分に対しては「ご主人様」と敬うよう命じるなどしていた。

 02年5月、札幌地検は同居女性2人に対する傷害罪で石島を起訴。翌03年8月、札幌地裁は石島に「懲役3年、執行猶予5年」の判決を命じている。

 しかし、石島の蛮行はやむことはなかった。例えばチャットサイトで知り合い、交際するようになった被害者女性Аさんに対して、石島はこんな無理難題を押しつけている。

「俺のために死んでみろ。何なら殺してやろうか」

 Aさんの受け答えが気に入らないと、「気絶させてやろうか」と脅し、Аさんの顔面を激しく殴打した。

「勝手に帰ったら、家や家族を潰す」

「家族を殺す。仲間に頼んで殺しに行く」

「俺は精神病だから、捕まらないんだ」

 Аさんは電話やメールはおろか、トイレや風呂に入る際も石島の厳しい監視下に置かれたという。石島の内面は、猜疑心の塊と化していたのだ。

 もちろん石島の孤独感は増すばかりである。皮肉にも性欲だけは昂進したらしく、Аさんは石島の要求に極力応じるほかなかった。

〈被告人(石島)の機嫌をとる内容の日記を書かされたり、肛門に異物を入れられるなどの性的虐待も受けた〉(論告要旨より抜粋)

 このほか、他の被害者女性たちへの暴力もエスカレートする一方だった。

〈着衣を身につけることを禁じられ、全裸のまま腹部や顔面を多数回、手拳で殴りつけられたり、腹部を足蹴にされ、踏みつけられる〉(論告要旨より抜粋)

 手加減を知らぬ暴行を加えられ、気絶する者もいた。頭髪を引っ張られて浴槽の水に顔を漬けられるのも日常化し、鼻を拳骨で殴られ、鼻骨骨折した者や、腰椎横突起骨折などの傷害を負わされた女性も‥‥。

 だが、当の石島は逮捕時から一貫して無罪を主張。

「(被害者の女性たちは)何を言っても許されると思っている」

「しょせんは自己申告」

「悲劇のヒロインになりたがっている」

「その女は、ちょっとオツムが弱いところがあり、自分なりの解決策を持っていないところがあった」

 悪びれることなく、そう答えて涼しい顔をするのだった。さらには自身への質疑応答で臆面もなく、こう証言している。

「SМのSはサービスのS。Мはわがまま」

 07年10月19日午前の東京地裁104号法廷。高橋徹裁判長が判決(一審)を読み上げた。

「主文。被告を懲役14年に処する」

 証言台の前に立つ石島は、どこかうわのそらである。石島の言動は、もはや常軌を逸しつつあった。判決の折も滑稽なほど姿勢を崩して、まさに天井を見上げんばかりの体勢で判決に聴き入っていたのである。

 また一審の最終陳述でも、石島は意味不明のことを述べたて、廷内は不穏な空気に包まれた。

「今日現在、何か言葉にして取り戻せるとかいうものは、最初から思っていたものではありません」

 念のため、裁判長が「それでいいのですか?」と問いただすと、石島は「はい」と返事をしている。

 石島は最高裁まで争う姿勢を見せたが12年7月、上告は棄却され、一、二審判決(懲役14年)が確定した。

◆ジャーナリスト 中尾幸司