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「特急車内レイプ事件」裁判傍聴ファイル(2)悪いとわかっていても止められない | アサ芸風俗

「特急車内レイプ事件」裁判傍聴ファイル(2)悪いとわかっていても止められない

「特急車内レイプ事件」裁判傍聴ファイル(2)悪いとわかっていても止められない

2013/09/27

「特急車内レイプ事件」裁判傍聴ファイル(2)悪いとわかっていても止められない

 07年6月29日の大津地裁刑事法廷。第2回目を迎えた植園の公判で、弁護人らによる被告人質問が続けられていた。

弁護人「事件について、あなた自身はどう思っていますか?」

植園「そらもう、被害者の人やその身内やとかに怖い思いをさせて、ごっつ悪いことをしてもうたと」

弁護人「自分のしたことに責任を取るつもりは?」

植園「はい」

弁護人「例えば、あなたが持っている財産とかはある?」

植園「一銭もない。車も処分してもうたし」

弁護人「ということは、被害の補償はできないと」

植園「はい」

弁護人「あなたはね、非常に前科が多いんですけれども、まずね、これらのことが悪いことやと、それはわかっていますか?」

(黙ってうなずく植園)

弁護人「悪いとわかっていても、その場になると止められないと?」

植園「はい。キレてしもたら、もう・・・・」

弁護人「今までは、それにどうやって対応してきたの?」

植園「精神安定剤を飲んで、わざとボケさせるように」

弁護人「でも、今回もまたお酒を飲んでやってしまった?」

植園「はい。嫁とも話したけど、酒はやめようと・・・・」

弁護人「犯行をやったあとって、どんな気持ちになりますか?」

植園「またヤッてるわと。ヤッてる最中は、そん時はアタマがいっぱいで。あとでごっつ嫌な気分になってしもて落ち込むので、また酒を飲んで・・・・」

 最後には裁判長も質疑応答に参加した。

裁判長「たくさん前科があるけれども、強制わいせつ、強姦、また強制わいせつと3回服役して、その間にあなたはいろいろ考えたんじゃないですか? 自分のやったことの意味、被害者にどんな痛みを負わせたのか、考えませんでしたか?」

植園「考えましたし、仕事を一所懸命しよかとか・・・・。でも結局はうまくいかん。で、また酒に逃げてと」

裁判長「酒に逃げて気持ちを紛らわせる。次に服役して出所したあと、またそうなってしまわないかな?」

植園「嫁が待ってくれてるし、子供もできましたし。酒だけは断とうと」

裁判長「あなたが強姦したことで、被害者がどんな心境になったのかを考えましたか?」

植園「死んでほしいと思てるんと違いますか」

裁判長「それについては、どう思います?」

植園「死ぬことも考えるけど、結局、自分ではよう死なんし・・・・」

 大津地裁は植園に対し、懲役18年の判決を言い渡した。すぐに植園側は控訴したが、08年5月29日、大阪高裁はこれを棄却。一審判決が支持され、刑が確定した。

 はたしてこの男に更生できる日は来るのだろうか。

◆ジャーナリスト 中尾幸司