【一杯酒場】　東京・新橋「たち飲み 吟」

「せんべろ」でも「じっくり」でもよし。
酒屋直営のビル地下酒場はオジさんの味方。

新橋駅前ビル1号館地下の飲み屋街といえば、夕方からすでに満席の店も多い、飲んべえの聖地。中でもビルの入り口左に陣取る「吟」は、近隣のサラリーマンに愛されて17年の立ち飲み店だ。店内はカウンターのほかいくつかテーブルがあり、比較的広め。熱気むんむんの満員状態になることも多いが、客の回転がいいのであまり気にならない。

支払いをする厨房前のカウンターにびっしり並ぶつまみの小鉢はどれも200〜300円台。板わさや赤ウインナーの定番ものから旬の刺身や野菜の煮物と、選ぶにも目移りしてしまう種類の多さだ。

酒屋直営なので酒は何でもあるが、特に力を入れているのは日本酒。季節の限定酒や通好みな酒も合わせて30種以上が揃い、よく出る人気銘柄は「浦霞」と「雪の茅舎」だ。値段も1杯300園からと、これまた実にフトコロに優しい。おのずと日本酒ファンの年配の男性客が多く「毎日来る人も含めて、お客の8割は常連さん。改札口からすぐなんで、地方に転勤になっても何かの折りに寄ってくれたりするのが嬉しいです」（店長の後藤さん）

開店から18時まではハッピーアワーで、さらにお得に飲める。サクッとせんべろするもよし。じっくり酒を味わうのもよしの使い勝手のよい店である。

たち飲み 吟
住所：東京都港区新橋2-20-5 新橋駅前ビル1号館B1F
電話：03-5568-4130
営業時間：16:00~24:00
定休日：土日祝