[片山良三の競馬予想ブログ]武豊番、片山良三の栗東ナマ情報「キタサンブラックが逃げ粘る」

武豊騎手にいい馬が回る流れができたのは何年ぶりだろうか。全盛時はＧⅠに騎乗馬がいないことが話題になったほどの人が、相次ぐケガでリズムを崩し、主役を外国人と地方出身の騎手に奪われる流れが長く続いた。

本人がいちばんつらかったはずだが、コツコツと小さな実績を積み重ねることで盛り返して、再びいい流れを作り上げたのはさすがだ。関係者を含めて、皆さんお忘れかもしれないが、2、3年のうちに通算4000勝に迫ろうとしているその長大な実績は、現時点でも文字どおりの「空前絶後」。武豊が一つ勝利を積むごとに、伝説が現在進行形で膨らんでいるところを我々は見ているのだ。

この天皇賞・春は、キタサンブラックで春7勝目を狙う。この馬とのコンビは負傷療養中だった北村宏騎手の代打として大阪杯の騎乗が回ってきたものだが、そこでの絶妙な逃げを評価されて、継続騎乗となった。「そりゃあ、うれしいですよ。北島三郎オーナーにはサイン色紙を頼まれましたが、それが欲しいのはボクのほうですよね」と、コメントも当意即妙。デビュー30年、競馬界の顔としてのふるまいも文句なしだ。

馬のことを聞くと「隙のない戦績を残してきているのに、いつも人気がありません。たぶん、母の父サクラバクシンオーというのがファンの皆さんには気にかかるところなんでしょう。でも、前回乗ってみて思いました。この馬のどこにサクラバクシンオーの血が入っているんだろうって。もともと菊花賞馬ですから距離の不安なんてないわけですが、ホント、そこは大丈夫。成績どおりに評価してください」と、心強いコメントだった。

見渡したところ、カレンミロティックが出張してこないかぎりはマイペースの逃げ。京都も開催替わりの2週目なら前が止まらない馬場だろう。ここは武豊の伝説を信じて◎を打つ。

逆転候補はシュヴァルグラン。前走の強さはハンパなく、仕上げ九分で強い競馬をしすぎたゴールドアクターより信用できる。

トゥインクル、フェイムゲームは、しつこいぐらいに長距離ばかり使ってここを狙ってきた。消耗戦なら一気の浮上がある。サウンズオブアースももちろんソコソコに。