[片山良三の競馬予想ブログ]武豊番、片山良三の栗東ナマ情報「ムーア騎手がモーリスVへ導く」

2000メートル以上の距離で勝ち鞍がないモーリスだが、札幌記念の2着は少なくとも距離が長すぎて負けたという内容ではなかった。問題は、ここ2戦で明らかになってきた乗り難しさ。安田記念2着は完全にそれだったし、前走もあのモレイラが珍しく折り合いに手を焼いているうちに、勝ち馬の逃げ切りを許してしまった。騎手の力量を測る馬、という印象は一戦ごとに濃くなっている。

今回は、先日の凱旋門賞も制した世界一のライアン・ムーアの騎乗。香港のモレイラにすさまじいばかりの勢いで追い立てられていただけに、ここは腕の違いを見せる大チャンスでもある。難しい馬を簡単に勝たせてしまうなら、世界は再びムーアに最敬礼するだろう。ムーア騎手としても、最高のモチベーションで臨める大一番だ。

武豊騎手は、香港とフランスでＧⅠを勝ってハクをつけてきたエイシンヒカリとのコンビ。昨年のこのレースは9着に敗れ、「これがＧⅠの壁なのかなあ」と寂しそうにつぶやいたのが忘れられないが、国際的な有名馬となった今年は、それはない。

昨年に遡って「この馬は休み明け2戦目がダメなタイプなんだと思います。去年の天皇賞がそうで、前走もそう」と、敗因を鋭く分析した武豊騎手。「今回は休み明け初戦ですから走るはずです」と、彼らしく前向きになっている。世界一のムーア騎手が相手だけに、日本のレジェンドのモチベーションも高い。

穴の気配はサトノクラウン。昨春のクラシックは間違いなく主役の座にいた馬だったわけで、人気薄の現状に疑いを持つ好機は今だ。堀厩舎の2頭出しで人気薄が勝つケースは札幌記念で経験済み。リアルスティールを降ろされた福永騎手も、この馬なら悔しさをぶつけるチャンスがある。

毎日王冠快勝のルージュバックは、人気になりすぎているだけに魅力半減。デムーロに乗り替わるリアルスティールは非常に能力の高い馬だが、予定していた毎日王冠を使えなかった弱みはあろう。

アンビシャスは、あくまでも折り合いしだい。ロゴタイプは、毎日王冠8着で人気急落だが、早め先頭の策は人気薄でこそハマる可能性がある。人気馬が後方で牽制し合う展開なら一発もありえる。