創刊「60年の騒然男女」今明かされる「性の改革者」たちの肖像!! vol.4「へアヌードブーム始末記 加納典明が振り返る「猥褻で摘発→謝罪」までの一部始終 「女性器の絵の外側に楕円を書いて『中に入るな

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創刊「60年の騒然男女」今明かされる「性の改革者」たちの肖像!! vol.4「へアヌードブーム始末記 加納典明が振り返る「猥褻で摘発→謝罪」までの一部始終 「女性器の絵の外側に楕円を書いて『中に入るな

2016/11/04

創刊「60年の騒然男女」今明かされる「性の改革者」たちの肖像!! vol.4「へアヌードブーム始末記 加納典明が振り返る「猥褻で摘発→謝罪」までの一部始終 「女性器の絵の外側に楕円を書いて『中に入るな

週刊アサヒ芸能が創刊されたのが1956年。その翌年には売春防止法が施行され、日本の公娼制度は姿を消した。ところが、日本人のエロスに対する飽くなき探究心が「性のタブー」を逆手に取るように、日本の性文化は世界でも類のない独自の進化を遂げた。その裏には時代をリードした〝改革者たち〟の存在が欠かせない。そんな日本のSEXエリートたちの肖像を今一度振り返る。

数多くの女優やタレントの写真を撮り続けてきた加納典明氏(74)の代名詞といえば「過激」に尽きる。最盛期には実に70万部を誇った「月刊 THE TENMEI」でヘアヌードブームは頂点を迎えた。読者を挑発したかと思えば、当局の神経を逆なでして逮捕されたが、飽くなき女体への興味は尽きぬままだ。

両手で股間を隠したり、いかに女体を美しく撮るかといったタッチのヌード写真には何の刺激も感じなかった。当時の先輩写真家には悪いけど「何じゃろな」という感じだったよね。

加納氏が写真家として脚光を浴びるきっかけとなったのは雑誌「平凡パンチ」。1959年創刊の同誌は、男性週刊誌という分野を確立し、新たなカウンターカルチャーを次々と発信し続けた。グラビアページを撮影するカメラマンも、未知の可能性を持った若手を積極的に起用。加納氏も67年から同誌のグラビアを撮り始めた。

女のコを雪の中に放り投げたり、海に落として、その上からペンキをまいて撮ったこともあった。日光の戦場ヶ原に火をつけて、その中にモデルを立たせるなんてこともやった。担当編集者も大変だったはずだよ。相当な肉体労働で体中傷だらけ。ロケが終わって家に帰ったら、カミサンから「何してきたの!」と驚かれたヤツもいたくらいだからね(笑)。

一躍時代の寵児となった加納氏は、70年代以降、活躍の舞台を広げていく。この頃、「PLAYBOY」誌などの撮影で出会ったのが山口百恵だった。

今まで撮った中で印象に残る人を1人だけあげろと言われたら、やっぱり百恵さんだね。女優としてすごい演技者だったかというと、決してトップクラスではなかったし、超がつく美人というわけでもなかった。でも、アイドルとしての偶像性が際立っていた。撮影中にファインダーが曇ったという経験をしたのは、あとにも先にも彼女を撮った時だけ。科学的にはありえないんだけど、被写体と格闘しているうちに目から汗が出たという感じだった。

93年、全ページ撮り下ろしとなるヌード雑誌「月刊 THE TENMEI」を創刊。「オスの視線の、何が悪い」のキャッチコピーが示すとおり、男性が欲情することに比重を置いた過激なヘアヌードがラインアップ。創刊号から70万部を売り上げる大ヒットとなった。内容も号を重ねるごとにエスカレート。94年7月には、警視庁が「わいせつ図画販売の疑い」で警告を発した。それに対し、加納氏はあくまで強気の姿勢を崩さない。

95年1月、「月刊 THE TENMEI」の未公開カットなどを掲載した「きクぜ!」が警視庁から摘発を受け、翌月には加納氏自身が逮捕されるに至った。

12日間勾留されて、検察ともさんざん話したけど、彼らの言い分は「掲載された写真が猥褻である」の一点張り。「そちらの言う猥褻って何ですか」って聞いても、答えなんて出ない。まったく議論にならないんだよ。最後は女性器の絵にマーカーで楕円を書いて「この中には入るな」だからね。70万部という得体の知れない現象を、猥褻というキーワードで取り締まるという〝お上意識〟でしかないわけだ。

俺自身には裁判で争いたいという気持ちもあったけど、同時に逮捕されていた関係者たちは、必ずしもそれを望んでいなかった。それで最終的には謝罪をし、略式起訴による罰金刑という形で幕引きとなった。俺1人だけ突っ張るわけにはいかないという事情があったとはいえ、この時の判断には今でも後悔を感じている。

ただ俺には、30年以上、ヌードを撮ることで元気のない日本の文化に警鐘を鳴らしてきたという自負がある。その気持ちは、この逮捕のあとも変わることはなかったよ。

その言葉どおり、以後も旺盛に作品を発表した。LiLiCo、壇蜜といった話題の女性たちも、加納氏のシャッターに収められてきた。

LiLiCoは、まだまったく無名の頃にヘアヌード写真集を撮ったんだよ。自分で言うのも何だけどキレイに撮れているよ。本人も気に入っているから、諸事情が合えば未公開の分も含めて、あらためて発表してみたいよね。

壇蜜もおもしろいコだよ。雑誌のグラビアで撮ったんだけど、ソファにM字開脚するカットで、俺が下着の股間部分に割れ目が浮き立つように、キャッシュカードを当てたんだよ。そしたら彼女、「ピッ」と声を出して、「カードが通っちゃいましたね」なんて言うんだよ(笑)。撮影の現場で、そういう当意即妙なやり取りができる人っていうのは珍しい。ヌードじゃなくてもいいから、世界観を前面に出した作品を1冊作ってみたいと思わせる人だよね。(本誌発行元の)徳間書店が版元になって企画してよ(笑)。