橋下徹「慰安婦放言で“軍隊と性”緊急激論」(1)性的エネルギーを合法的に…

橋下徹「慰安婦放言で“軍隊と性”緊急激論」(1)性的エネルギーを合法的に…

2013/05/28

橋下徹「慰安婦放言で“軍隊と性”緊急激論」(1)性的エネルギーを合法的に…

 失言、放言、泥沼釈明。ある意味、政治家が転落する際の象徴的なシーンがこれだ。政界屈指の論客にして人気者の大阪市長もこの罠にハマり、「慰安婦問題」に踏み込んで大チョンボを犯した。では、俎上に載せられた「当事者」たちは何と言うか。橋下的「軍隊とセックス」論に真っ向対峙する。

 さしもの毒舌家も袋叩きに防戦一方。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長(43)による「慰安婦放言」が大騒動になったのは、当然といえば当然である。

 5月13日のブラ下がり取材で、問題コメントは飛び出した。過去の植民地支配を認めた、いわゆる「村山談話」に自民党・高市早苗政調会長(52)が違和感を表明したことに言及するうち、従軍慰安婦問題に移行。

「日本国軍だけじゃなく、いろんな軍で慰安婦制度を活用してたわけなんです。あれだけ銃弾が雨あられのように飛び交う中で、そりゃ精神的に高ぶっている猛者集団に、やっぱりどこかげようと思ったら、慰安婦制度が必要だということは誰だってわかるわけです」

「もちろん今は認められない」とフォローはしつつ、慰安婦制度をある意味、肯定。さらに放言は続く。

「でも慰安婦制度じゃなくても、風俗業ってものは必要だと思いますよ。だから僕は普天間に行った時に司令官の方に『もっと風俗を活用してほしい』と言ったんですよ。そしたら司令官はもう凍りついたように苦笑いしてしまって。いわゆるそういう性的エネルギーをある意味、合法的に解消できる場所が、日本にはあるわけですから」

 沖縄駐留米軍によるレイプ事件があとを絶たない現状に「はけ口」を提案したつもりだったが、与野党から「女性の人権を侮辱している」と批判が殺到。米国防総省当局者も「問題解決の方法として(風俗利用を)検討するのはばかげている」と不快感をあらわにし、国際問題化したことで、橋下氏は窮地に立たされた。

 橋下氏は「(慰安婦を)活用していた。秦郁彦さんのあの本でも詳細に書いてるじゃないですか」とも話しているが、名指しされた「慰安婦と戦場の性」(新潮選書)の著者の現代史家・秦郁彦氏は橋下発言をこう評するのだ。

「各国が似た制度を持っていたというのなら、信憑性ある証拠を添えて具体的に説明すべきだった。そういう手法を普通は使うものなんです。あるいは『当時の人たちがそう考えたようです』と言っておけばいい。すると世間は、当時の人はけしからん、と矛先をそちらに向ける。『誰だってわかる』という表現も押しつけがましいですよ。(著書から)引用した場合、責任が半分、引用元に行く。私は説明責任を半分かぶってもいいんですけどね」

 しかし、この騒動が拡大の一途をたどるさなかも橋下氏はツイッターで、

〈世界各国もその必要性から慰安所や私娼、民間業者を活用していた。これが戦場での性の現実だ〉

〈性の問題は建前では解決しない。じゃあ、米兵の性犯罪についてどのように迫るの?〉

 などと反論し、火に油を注いだのだった。