山口健治の“江戸”鷹の目診断「花月園メモリアルin小田原」 ツイート 2013/06/06 なまくらな戦い方で勝ち負けできるほど、競輪は甘くない。 GIII「花月園メモリアルin小田原」(6月6日〈木〉~9日〈日〉)は、S級の中堅クラスによる一戦。実力が拮抗しているだけに見応えのあるシリーズになりそうだ。 地元南関地区のまとめ役を務めるのは、出場選手の中では最年長48歳の佐々木龍也。練習中に大ケガを負い、3月のここ小田原FIで実戦に復帰するまで300日余りもかかった。それから約1カ月後の4月、再び小田原のFIを予選から走り2・2・【8】(※【】印は決勝戦進出) と好走した。 GIで6度、ファイナルに進出した実績が光る。私は現役当時、同型の追い込み型として対戦したことがあるが、マークの巧みさとファイターぶりに共感を覚えたものだ。今回はメンバーが強化されているだけに決勝進出は厳しいが、佐々木らしいレースで場内を沸かせてくれるはずだ。 逸材がそろう90期の1人、福岡の小川勇介が伸び悩んでいる。自在型を目指しているのだろうが、中途半端なレースに終始しているのは勝負どころでの決め手がないからだ。まくりを磨けば直線の切れ味も出てくる。自覚して練習するかどうかだろう。10人を超える同期の名前がある岸和田高松宮記念杯(6月13日~)に出走できない無念を糧にしてほしい。 さて、並びと展開。地元南関勢は、千葉の鈴木裕に地元の松谷秀幸─松坂英司がつける。関東は藤田竜矢─尾崎剛─佐藤真一で埼京ライン。西日本は守谷陽介─高原仁志の瀬戸内コンビと、小川─田中誠の福岡両者が有力。他では秋田の佐藤朋也が圏内で、栃木の佐藤悦夫とS2も好調な茨城の大薗宏が進出すれば、佐藤朋の後ろを固めそうだ。 333バンクだけに、鈴木と藤田で叩き合い濃厚。小川と守谷も早めに巻き返すことになる。 本命は松谷。絶好の2段駆けに加えて、師匠の佐々木が見ているから気合いの入り方が違う。対抗は、まくる小川。守谷の一発も十分ある。 伏兵は三ツ石康洋(徳島・86期)、矢口大樹(千葉・95期)、東龍之介(神奈川・96期)の機動力型3選手。前走・宇都宮記念で2勝と好走したのが三ツ石。S1経験もあり、勢いに乗れば怖い。地元地区の矢口と東は、バック本数が群を抜いて多く、援護も期待できる。予選と負け戦、逃げ切り1着で狙いたい。 ◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。 タグ: 山口健治,競輪,花月園メモリアルin小田原,週刊アサヒ芸能 2013年 6/13号 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [香川県] [宮城県] [東京都] [東京都] [香川県] [神奈川県] [香川県] [徳島県] [東京都] [東京都]
なまくらな戦い方で勝ち負けできるほど、競輪は甘くない。
GIII「花月園メモリアルin小田原」(6月6日〈木〉~9日〈日〉)は、S級の中堅クラスによる一戦。実力が拮抗しているだけに見応えのあるシリーズになりそうだ。
地元南関地区のまとめ役を務めるのは、出場選手の中では最年長48歳の佐々木龍也。練習中に大ケガを負い、3月のここ小田原FIで実戦に復帰するまで300日余りもかかった。それから約1カ月後の4月、再び小田原のFIを予選から走り2・2・【8】(※【】印は決勝戦進出) と好走した。
GIで6度、ファイナルに進出した実績が光る。私は現役当時、同型の追い込み型として対戦したことがあるが、マークの巧みさとファイターぶりに共感を覚えたものだ。今回はメンバーが強化されているだけに決勝進出は厳しいが、佐々木らしいレースで場内を沸かせてくれるはずだ。
逸材がそろう90期の1人、福岡の小川勇介が伸び悩んでいる。自在型を目指しているのだろうが、中途半端なレースに終始しているのは勝負どころでの決め手がないからだ。まくりを磨けば直線の切れ味も出てくる。自覚して練習するかどうかだろう。10人を超える同期の名前がある岸和田高松宮記念杯(6月13日~)に出走できない無念を糧にしてほしい。
さて、並びと展開。地元南関勢は、千葉の鈴木裕に地元の松谷秀幸─松坂英司がつける。関東は藤田竜矢─尾崎剛─佐藤真一で埼京ライン。西日本は守谷陽介─高原仁志の瀬戸内コンビと、小川─田中誠の福岡両者が有力。他では秋田の佐藤朋也が圏内で、栃木の佐藤悦夫とS2も好調な茨城の大薗宏が進出すれば、佐藤朋の後ろを固めそうだ。
333バンクだけに、鈴木と藤田で叩き合い濃厚。小川と守谷も早めに巻き返すことになる。
本命は松谷。絶好の2段駆けに加えて、師匠の佐々木が見ているから気合いの入り方が違う。対抗は、まくる小川。守谷の一発も十分ある。
伏兵は三ツ石康洋(徳島・86期)、矢口大樹(千葉・95期)、東龍之介(神奈川・96期)の機動力型3選手。前走・宇都宮記念で2勝と好走したのが三ツ石。S1経験もあり、勢いに乗れば怖い。地元地区の矢口と東は、バック本数が群を抜いて多く、援護も期待できる。予選と負け戦、逃げ切り1着で狙いたい。
◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。