ビデオ・ザ・ワールドが見た“AV30盛衰史”(9)AV雑誌冬の時代の真相 ツイート 2013/06/18 現在、AV雑誌は瀕死の状態にある。インターネットの隆盛や、規制の強化など取り巻く環境が大きな変化を迎えているからだ。はたして、AV雑誌は復活するのか。現場の声を集めた。 00年代に入るとエロ雑誌の売り上げが急速に落ち始めた。その理由としては、青少年健全育成条例などの規制が厳しくなってきたこと、エロ雑誌を販売する書店の数が激減したこと、そしてインターネットの普及などがあげられる。 当然のようにAV雑誌も苦戦させられることになった。まず07年に「アップル通信」(三和出版)が23年の歴史に幕を降ろした。翌08年には「AVフリーク」(ジェイ・ディー・メデューサ)が、09年にAV雑誌を代表する存在であった「オレンジ通信」(東京三世社)も休刊となった。 さらに10年にはAVアイドルに強かった「ベストビデオ」(三和出版)に加え、前回紹介したインディーズAV時代を象徴する「ビデオメイトDX」(コアマガジン)までもが消滅した。 12年には「NAO DVD」(三和出版)や「TENGU」(ジーオーティー)といった比較的新しい雑誌も姿を消し、そして今年には最老舗である「ビデオ・ザ・ワールド」(コアマガジン)までもが休刊となってしまった。 現在残っているAV誌は「月刊DMM」(ジーオーティー)、「月刊ソフト・オン・デマンド」(ソフト・オン・デマンド)、「ベストビデオスーパードキュメント」(三和出版)の3誌のみとなってしまった。「ビデオボーイ」(英知出版からジーオーティーへ版元が変更)のように、誌名だけを残して人妻専門誌になったような例もある。 現在代表的なAV雑誌といえば00年に創刊した「月刊DMM」だ。誌名どおり、日本最大のAV通販・配信サイトの雑誌版で、DVD付きで290円という安さには驚かされるだろう。 実際に誌面を見ると、メーカーの広告がかなりの割合を占めていて、広告費で成り立っている雑誌であることがわかる。 連載コラムなどの編集ページも少なく、表紙もメーカーから提供された写真を使ったもので、撮り下ろしのグラビアなどは一切ない。「月刊DMM」大木浩一編集長が語る。「画像などは、ほとんどがメーカーから提供してもらったものですが、それをどう見せていくか、どうやって誌面で遊ぶかが、今の編集者の腕の見せどころになっています」 そもそもAV雑誌自体が、もともとAVメーカーから画像を借り、安い制作費で作れるという発想から生まれているだけに、こうした状況も今に始まったことではない。メーカー側もAV誌に取り上げてもらえれば宣伝になるというメリットがあった。言うなれば双方にとってウィンウィンの関係があったのだ。◆フリーライター 安田理央 タグ: DMM,ソフト・オン・デマンド,ビデオ・ザ・ワールド,ベストビデオスーパードキュメント,素顔,週刊アサヒ芸能 2013年 6/20号 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [愛媛県] [青森県] [愛知県] [奈良県] [茨城県] [福島県] [石川県] [北海道] [栃木県] [山梨県]
現在、AV雑誌は瀕死の状態にある。インターネットの隆盛や、規制の強化など取り巻く環境が大きな変化を迎えているからだ。はたして、AV雑誌は復活するのか。現場の声を集めた。
00年代に入るとエロ雑誌の売り上げが急速に落ち始めた。その理由としては、青少年健全育成条例などの規制が厳しくなってきたこと、エロ雑誌を販売する書店の数が激減したこと、そしてインターネットの普及などがあげられる。
当然のようにAV雑誌も苦戦させられることになった。まず07年に「アップル通信」(三和出版)が23年の歴史に幕を降ろした。翌08年には「AVフリーク」(ジェイ・ディー・メデューサ)が、09年にAV雑誌を代表する存在であった「オレンジ通信」(東京三世社)も休刊となった。
さらに10年にはAVアイドルに強かった「ベストビデオ」(三和出版)に加え、前回紹介したインディーズAV時代を象徴する「ビデオメイトDX」(コアマガジン)までもが消滅した。
12年には「NAO DVD」(三和出版)や「TENGU」(ジーオーティー)といった比較的新しい雑誌も姿を消し、そして今年には最老舗である「ビデオ・ザ・ワールド」(コアマガジン)までもが休刊となってしまった。
現在残っているAV誌は「月刊DMM」(ジーオーティー)、「月刊ソフト・オン・デマンド」(ソフト・オン・デマンド)、「ベストビデオスーパードキュメント」(三和出版)の3誌のみとなってしまった。「ビデオボーイ」(英知出版からジーオーティーへ版元が変更)のように、誌名だけを残して人妻専門誌になったような例もある。
現在代表的なAV雑誌といえば00年に創刊した「月刊DMM」だ。誌名どおり、日本最大のAV通販・配信サイトの雑誌版で、DVD付きで290円という安さには驚かされるだろう。
実際に誌面を見ると、メーカーの広告がかなりの割合を占めていて、広告費で成り立っている雑誌であることがわかる。
連載コラムなどの編集ページも少なく、表紙もメーカーから提供された写真を使ったもので、撮り下ろしのグラビアなどは一切ない。「月刊DMM」大木浩一編集長が語る。
「画像などは、ほとんどがメーカーから提供してもらったものですが、それをどう見せていくか、どうやって誌面で遊ぶかが、今の編集者の腕の見せどころになっています」
そもそもAV雑誌自体が、もともとAVメーカーから画像を借り、安い制作費で作れるという発想から生まれているだけに、こうした状況も今に始まったことではない。メーカー側もAV誌に取り上げてもらえれば宣伝になるというメリットがあった。言うなれば双方にとってウィンウィンの関係があったのだ。
◆フリーライター 安田理央