元料亭経営者が明かした「飛田の真実」(1)スーパースター風俗嬢はたった16人 ツイート 2013/09/11 門を抜けると目に飛び込んでくるのは、華やかな遊女の世界──。かつて日本には男たちにとっての“夢の楽園”である遊郭が全国各地に存在した。しかし、時を経ることで、遊郭の風情を残す建物、そして秘め事を巡る風習までもが消失しようとしている。そこで、本誌は「10大遊郭」の跡地を訪ね、失われつつある色街の“残り香”を探し求めた。 現在、最も遊郭の風情を残しているのが大阪の飛田新地だろう。昨年、その内情をつづった「飛田で生きる」を上梓し、話題を呼んだ杉坂圭介氏。同氏の新作「飛田の子」(いずれも小社刊)が発売された。ベールに包まれた飛田で働く女の実態に迫った渾身作だ。 前作では、10年間飛田料亭経営に携わった杉坂氏が、飛田の内情、店舗経営の仕組みについて重い口を開いたが、今回テーマとしたのは、飛田で働く女の子たちの実像。現在進行形で、飛田料亭に働く女の子たちの心模様と、料亭の狭い空間で繰り広げられる喜怒哀楽を通じ、“不幸な生い立ち”“親の借金の犠牲”といったイメージとかけ離れた、今を生きる飛田嬢の真実を伝えている。 執筆に当たった経緯について、杉坂氏はこう話す。 「きっかけは橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言問題でした。発言内容について意見するつもりはありませんが、マスコミが議論する過程で、飛田の料亭経営者が女の子から不当に賃金を搾取しているとの発言を耳にし、ショックを受けました。今時、そんな経営者はいません。第一に、不当に搾取されたら女の子は即座に店を辞め他に移ります。誰もが稼げるから飛田に来ているのですから。彼女たちの中には、1日でOL1カ月分の給料を手にしてしまう子もいます。しかし、その『代償』もある。それは不当な搾取ではなく、飛田嬢ゆえの精神的葛藤。ふだんお客さんの前では絶対に見せることのない姿から、飛田の子の現実を知ってもらいたかった」 飛田新地の中心は、杉坂氏の店があるメイン通りと青春通り。この2つの通りにはアイドル、モデル級の美女が並び、男たちは誰もが「なぜ飛田には、あんなキレイな子ばかり集まるのか」と驚く。だが現実には、イマイチレベルの子も面接に来ている。しかし周囲の店との競争が厳しいので、中途半端な容姿ではお客が上がらない。1日座っても給料をもらえない子もいる。そのため指名されない女性は、早ければその日のうちに、ほとんどが3日から1週間で辞め、道1本隔てた、よその通りに行ったりする。結果的に、キレイな子だけになる。その残った女の子の中には、時々とんでもない額を稼いでくれる子が現れるという。 杉坂氏が語る。 「具体的な数字を言えば、売り上げを店と折半しても、手取りで月に300万近く稼ぐ子です。私らは、“スーパースター”と呼んだりするのですが、飛田の160店舗あるうち、常時1割、16軒くらい、そういう子のいる店がある。2010年に私も、初めてそういう子に出会いました。それが本の中心人物であるアユ。よくも悪くも、アユは売れる女の子の典型的なパターンでした。私の飛田生活で最も浮き沈みの激しかったのが2010年。アユと他の女の子たちとの関わりを通じて、飛田で働く女の子たちの日常、昔ながらのしきたりの中で、今も生きている彼女たちの姿を書き連ねました」 タグ: ニッポン「10大遊郭」裏探訪!,週刊アサヒ芸能 2013年 9/12号,遊女,遊郭,風俗,飛田の真実 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [熊本県] [宮城県] [青森県] [東京都] [三重県] [東京都] [沖縄県] [岐阜県] [長野県] [三重県]
門を抜けると目に飛び込んでくるのは、華やかな遊女の世界──。かつて日本には男たちにとっての“夢の楽園”である遊郭が全国各地に存在した。しかし、時を経ることで、遊郭の風情を残す建物、そして秘め事を巡る風習までもが消失しようとしている。そこで、本誌は「10大遊郭」の跡地を訪ね、失われつつある色街の“残り香”を探し求めた。
現在、最も遊郭の風情を残しているのが大阪の飛田新地だろう。昨年、その内情をつづった「飛田で生きる」を上梓し、話題を呼んだ杉坂圭介氏。同氏の新作「飛田の子」(いずれも小社刊)が発売された。ベールに包まれた飛田で働く女の実態に迫った渾身作だ。
前作では、10年間飛田料亭経営に携わった杉坂氏が、飛田の内情、店舗経営の仕組みについて重い口を開いたが、今回テーマとしたのは、飛田で働く女の子たちの実像。現在進行形で、飛田料亭に働く女の子たちの心模様と、料亭の狭い空間で繰り広げられる喜怒哀楽を通じ、“不幸な生い立ち”“親の借金の犠牲”といったイメージとかけ離れた、今を生きる飛田嬢の真実を伝えている。
執筆に当たった経緯について、杉坂氏はこう話す。
「きっかけは橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言問題でした。発言内容について意見するつもりはありませんが、マスコミが議論する過程で、飛田の料亭経営者が女の子から不当に賃金を搾取しているとの発言を耳にし、ショックを受けました。今時、そんな経営者はいません。第一に、不当に搾取されたら女の子は即座に店を辞め他に移ります。誰もが稼げるから飛田に来ているのですから。彼女たちの中には、1日でOL1カ月分の給料を手にしてしまう子もいます。しかし、その『代償』もある。それは不当な搾取ではなく、飛田嬢ゆえの精神的葛藤。ふだんお客さんの前では絶対に見せることのない姿から、飛田の子の現実を知ってもらいたかった」
飛田新地の中心は、杉坂氏の店があるメイン通りと青春通り。この2つの通りにはアイドル、モデル級の美女が並び、男たちは誰もが「なぜ飛田には、あんなキレイな子ばかり集まるのか」と驚く。だが現実には、イマイチレベルの子も面接に来ている。しかし周囲の店との競争が厳しいので、中途半端な容姿ではお客が上がらない。1日座っても給料をもらえない子もいる。そのため指名されない女性は、早ければその日のうちに、ほとんどが3日から1週間で辞め、道1本隔てた、よその通りに行ったりする。結果的に、キレイな子だけになる。その残った女の子の中には、時々とんでもない額を稼いでくれる子が現れるという。
杉坂氏が語る。
「具体的な数字を言えば、売り上げを店と折半しても、手取りで月に300万近く稼ぐ子です。私らは、“スーパースター”と呼んだりするのですが、飛田の160店舗あるうち、常時1割、16軒くらい、そういう子のいる店がある。2010年に私も、初めてそういう子に出会いました。それが本の中心人物であるアユ。よくも悪くも、アユは売れる女の子の典型的なパターンでした。私の飛田生活で最も浮き沈みの激しかったのが2010年。アユと他の女の子たちとの関わりを通じて、飛田で働く女の子たちの日常、昔ながらのしきたりの中で、今も生きている彼女たちの姿を書き連ねました」