元料亭経営者が明かした「飛田の真実」(4)辞めるのが難しい世界 ツイート 2013/09/12 飛田の店舗は、1階が通りに面して、四畳半から六畳くらいのスペースの中に、玄関と女の子が座る上がり框〈かまち〉がある。襖〈ふすま〉を隔てたその奥には、女の子たちの待機所があり、杉坂氏の店では、さらにその奥に杉坂氏の仕事部屋がある。それぞれ薄い襖一枚で仕切ってあるだけなので、杉坂氏の部屋からは、待機所での女の子たちの話、本音トークがまる聞こえなのだ。例えば、ある日のアユとメグの会話。メグ「アユさんは、不潔な人とか、嫌いなタイプのお客さんがあがったら、どうしてるんですか」アユ「もう、そんなの見ない。不潔でも、基本、目をつぶっているから。その夜、シャワー浴びたら全部忘れる。私、幸いなことに、タイプじゃない人の顔とか、記憶に残ってないから」メグ「‥‥」アユ「ひと言で言えば『無』。たとえ『何か気持ち悪い』と思っても、目の前に置かれたものに対して、機械的にサービスを繰り返す。だから、フェラをする時も、そこしか見ない。顔も見ないし、見られる時も極力、目をつむっている。目の前を、現実として受け止めてないから、何も感じない」メグ「‥‥アユさん恋愛したいって言ってたけど、アユさんなら、お客さんのほうから『外で会わんか』と言ってくるんじゃないですか」アユ「実際、店外に誘われることはよくあるけど、お客さんのほうから、それを言われると醒めちゃう。『お金ないから』っていうのが見え見えやから。『外で、今度会おうか』とか言ってくるお客さんは、そんなにしょっちゅう飛田にも来られないので、セフレのような関係になれば、お金がかかんなくていいと思っているだけ。恋愛以前で、むしろ、そういう人はもう『クズ』って思うから、見下す」 そう言いながらもお客にひかれてしまう子が多いのも飛田の特徴。それには理由がある。それは次回説明しよう。「飛田の子」には、他にも、ナオ、カナ、リナといった個性的な女の子たちが登場。それぞれが、みずからの夢をかなえるため、あるいは個人的な金銭トラブルを解消するため、玄関に座り続ける。「ナオは2年前まで、青春通りの店で働いていて、結婚し、子供を産み、保育園に預けることができたので、また働きたいと言ってきた。マンション購入のためです。子供を預けている時間だけ働いても、毎日3万~4万円稼いでました。結局、同じ保育園に子供を通わす父親と、店でニアミスしたのが原因で辞めてしまいましたが。そのナオが働いていた頃には、遅番で現役の保母さんも働いていた。だから、昼間は子供を預ける母親が玄関に座り、夜は保母さんが座っている日がよくあったんです」 結婚し、子供を産んで、飛田に戻る。決して珍しいケースではない。実は飛田の世界、入るのは簡単だが、辞めるのが難しい。稼げない子は、二度と戻らないが、稼いだ子ほど、過去をふんぎることが難しい。一般社会に戻るためには、過去との完全決別が求められる。飛田で働いても、のちに幸せな人生を築けるのはそれができる子。だが、やっぱりできない。それにはさまざまな理由があるのだ。 タグ: ニッポン「10大遊郭」裏探訪!,週刊アサヒ芸能 2013年 9/12号,遊女,遊郭,風俗,飛田の真実 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [岐阜県] [岡山県] [香川県] [宮城県] [北海道] [福島県] [徳島県] [鹿児島県] [石川県] [山形県]
飛田の店舗は、1階が通りに面して、四畳半から六畳くらいのスペースの中に、玄関と女の子が座る上がり框〈かまち〉がある。襖〈ふすま〉を隔てたその奥には、女の子たちの待機所があり、杉坂氏の店では、さらにその奥に杉坂氏の仕事部屋がある。それぞれ薄い襖一枚で仕切ってあるだけなので、杉坂氏の部屋からは、待機所での女の子たちの話、本音トークがまる聞こえなのだ。例えば、ある日のアユとメグの会話。
メグ「アユさんは、不潔な人とか、嫌いなタイプのお客さんがあがったら、どうしてるんですか」
アユ「もう、そんなの見ない。不潔でも、基本、目をつぶっているから。その夜、シャワー浴びたら全部忘れる。私、幸いなことに、タイプじゃない人の顔とか、記憶に残ってないから」
メグ「‥‥」
アユ「ひと言で言えば『無』。たとえ『何か気持ち悪い』と思っても、目の前に置かれたものに対して、機械的にサービスを繰り返す。だから、フェラをする時も、そこしか見ない。顔も見ないし、見られる時も極力、目をつむっている。目の前を、現実として受け止めてないから、何も感じない」
メグ「‥‥アユさん恋愛したいって言ってたけど、アユさんなら、お客さんのほうから『外で会わんか』と言ってくるんじゃないですか」
アユ「実際、店外に誘われることはよくあるけど、お客さんのほうから、それを言われると醒めちゃう。『お金ないから』っていうのが見え見えやから。『外で、今度会おうか』とか言ってくるお客さんは、そんなにしょっちゅう飛田にも来られないので、セフレのような関係になれば、お金がかかんなくていいと思っているだけ。恋愛以前で、むしろ、そういう人はもう『クズ』って思うから、見下す」
そう言いながらもお客にひかれてしまう子が多いのも飛田の特徴。それには理由がある。それは次回説明しよう。
「飛田の子」には、他にも、ナオ、カナ、リナといった個性的な女の子たちが登場。それぞれが、みずからの夢をかなえるため、あるいは個人的な金銭トラブルを解消するため、玄関に座り続ける。
「ナオは2年前まで、青春通りの店で働いていて、結婚し、子供を産み、保育園に預けることができたので、また働きたいと言ってきた。マンション購入のためです。子供を預けている時間だけ働いても、毎日3万~4万円稼いでました。結局、同じ保育園に子供を通わす父親と、店でニアミスしたのが原因で辞めてしまいましたが。そのナオが働いていた頃には、遅番で現役の保母さんも働いていた。だから、昼間は子供を預ける母親が玄関に座り、夜は保母さんが座っている日がよくあったんです」
結婚し、子供を産んで、飛田に戻る。決して珍しいケースではない。実は飛田の世界、入るのは簡単だが、辞めるのが難しい。稼げない子は、二度と戻らないが、稼いだ子ほど、過去をふんぎることが難しい。一般社会に戻るためには、過去との完全決別が求められる。飛田で働いても、のちに幸せな人生を築けるのはそれができる子。だが、やっぱりできない。それにはさまざまな理由があるのだ。