「“汚染水ダダ漏れ”福島原発を直撃の最悪シナリオ」

「“汚染水ダダ漏れ”福島原発を直撃の最悪シナリオ」

2013/09/20

「“汚染水ダダ漏れ”福島原発を直撃の最悪シナリオ」

 関東を中心に竜巻が猛威を振るっている。沿岸部で発生する確率が高いと言われているのだが、心配なのは福島第一原発への直撃。東電は本当に対策を講じているのだろうか──。

 今月に入って関東北部に竜巻が異常多発している。2日には埼玉県越谷市と千葉県野田市を襲い、実に1160棟の被害(4日時点)が確認されている。また、4日には栃木県矢板市でも竜巻が発生し、150棟超の被害をもたらした。ある気象予報士がその予測の難しさを語る。

「アメリカは竜巻大国で年間1000前後発生します。そのアメリカでさえ、スーパーコンピュータなどを使って、発生予測を試みていますが、成功はしていません。今回の場合、関東北部の比較的涼しい場所に南の東京湾から暖かい風が流れ込む境目で発生しています。しかし、その気象条件だけでは発生を予測できないのです。台風17号が低気圧に変わったことや、上空の寒気など、多くの要素を計算しなければならず現在の技術ではどこに、どの規模の竜巻が起こるのかわからないのが現実です」

 ゲリラのごとく神出鬼没な竜巻だが、日本においては比較的沿岸部に発生しやすいと言われている。現在、関東北部の沿岸部には最も危険場所がある。そう、福島第一原発である。東京電力に竜巻への対応を聞くと、広報担当者がこう答えた。

「福島第一原発ではF3規模を想定して順次対策を行っています。汚染水のタンク周辺に堰(囲い)を作り、飛来物が当たって漏れるリスクを低減させています」

 ここで言う「F3」とは竜巻の規模のことである。今回の埼玉、千葉の竜巻が「F2」、栃木は「F1」であるが、前出・気象予報士が語る。

「F3クラスの竜巻の風速は最大92m/sになります。日本では06年北海道佐呂間町で起こりましたが、大型ダンプカーが吹き飛び、電柱も根元から折れ9人もの犠牲者が出る大災害でした。日本周辺は温暖化しており、こうした大型の竜巻が起こる可能性は高まっているのです」

 北海道を襲った「F3」規模の竜巻では、飛散物が10キロ以上も飛んだという。ある原子力研究者は原発に直撃することへの懸念をこう漏らす。

「福島第一原発では、汚染水タンク周辺で毎時1800ミリシーベルトもの高線量が観測されており、竜巻以前にダダ漏れが指摘されています。4時間で人が死に至る高い値です。そんなものが25トンもの大型車両が吹き飛ぶ風に耐えられるとは考えられません。また、福島第一原発3号機と4号機の使用済み燃料プールは剥き出しのままです。この水を巻き上げて10キロ範囲でまき散らかせば収拾はつかなくなります」

 タンクの破壊に加え、原子炉建屋内部にある燃料棒の残骸をまき散らせば、現場周辺の海も大地も1000年は死滅する最悪のシナリオとなる。その時、東京電力はまたも「想定外」と言い張るのか──。