女性1000人が選んだ「理想の長さと太さ」（２）膣は環境や年齢で変化する

　40カ国、400都市以上の男性とセックス経験を持ち、「ちんトレ」の著書もある作家・渡辺ひろ乃氏も、「長すぎたり太すぎるのは痛いだけです」と断言する。

「以前、プエルトリコ人とシタ時の話ですが、極太で長い彼のペニスは、挿入して私の膣の“天井”に届きながらも、まだ10センチほど竿が膣からはみ出ていました。オーストラリア人とシタ時も似た状況になりました。日本人女性の膣の長さは、外国人女性よりやや短いのかもしれません。私は体が開発されているので子宮口近くにある性感帯、ポルチオを刺激されると気持ちいいのですが、開発されていない女性は苦痛を覚えるだけです」

　渡辺氏の経験は極端な例かもしれないが、横浜悠愛クリニックの内科医で医学博士の志賀貢医師は、こう解説する。

「女性の膣は柔軟性を備えた臓器で、出産や性体験を重ねることで大きく広がりますし、興奮すると伸びます。逆に、感じないと小さい状態のまま。生活環境や年齢によってかなり伸縮して性感帯も変わるため、ある意味では“いいかげんな臓器”とも言えます。ですから、長く太いペニスだからといって、必ず感じるとは限らないのです」

　膣が収縮するのであれば、ペニスも年齢や生活環境により形状に変化が起こるのか。前出の相模ゴム工業の広報担当者が語る。

「日本人の平均身長と体格が変わってきた流れで、ペニスの大きさにも変化が生じています。愛用中のお客様から『小さいんじゃないか』というお声をいただき、若干、サイズを大きめに変更したこともあります」

　なんと、時代とともに平均身長が伸び、体格がよくなることで、日本人男性のペニスは以前より大きくなっているというのだ。ちなみに、現在のコンドームの売れ筋商品とはどのサイズだろうか。

「弊社でいちばん売れているスタンダードは、直径36ミリ、長さ170ミリの商品です。伸縮性を持つポリウレタン製なので、直径はあまり変更せず、以前より長さをやや増しました」（前出・広報担当者）

　アンケートで女性たちが回答した、長さ12.074センチ、太さ3.7725センチという理想のサイズ。使用している男性の声を取り入れた相模ゴム工業の売れ筋サイズ──これらはいずれも巨根と呼べるサイズではない。前出・渡辺氏が語る。

「だって、巨根『だけ』が気持ちいいのであれば、女性は出産が最も気持ちいい行為になっちゃうじゃないですか（笑）。赤ちゃんが産道を通る瞬間がいちばん気持ちいいなんて、ありえませんよ、そんなこと（笑）」

　アダルトグッズを自社で開発・販売するショップ、「秋葉原ラブメルシー」の社長、高橋さなえ氏も、渡辺氏の意見に賛同する。

「弊社では大きすぎず小さすぎない男性器を模したバイブがダントツで売れています。毎回、10～20名の女性モニターに試していただき70％以上がOKを出したテスターを商品として世に出していますが、ここ8～10年間のベストセラーは『オルガスター』。サオ部分はバイブレーターより細く、亀頭部分はローターよりやや大きめの作りで、柔らかい素材でできています」