中高年からの“持続時間を延長させる方法vol.2”究極の食材は肉類

　中村医師が語る。

「メタボリックシンドロームが中折れに深刻な悪影響を与えることがわかっています。肥満や運動不足を自覚している場合は、食生活や生活習慣の改善を図りましょう。力士によく見られる傾向ですが、腹周りのぜい肉がペニスを隠してしまい、勃起してもペニスの長さが足りないという事態を誘発することもあります。肥満気味の人は痩せる努力から始めましょう」

　臓器にスポットを与えると勃起に密接に関係しているのは肝臓だと、前出の志賀医師は語る。

「肝臓は性ホルモンの処理場。男性の血中にも流れる余分な女性ホルモンを排出する働きがあります。肝臓の働きが低下すると、不要な女性ホルモンが全身を巡ると同時に、勃起に必要な男性ホルモン量も低下するのです」

　メタボと肝臓の改善にはバランスの取れた食生活が必要だと、ある管理栄養士が解説をする。

「メタボの人は血糖値の上下を緩やかにする雑穀米や雑穀パン、コレステロールを改善する野菜や果物、青魚を積極的に摂取しましょう。肝臓疾患はその重度により異なりますが、レバーや豆類、ひじきなど、肝臓への負担が大きい鉄分の摂取は控えめにしてください」

　ここには列挙されなかったが、勃起の持続時間を継続できる究極の食材がある。それが肉類だ。小説家の瀬戸内寂聴氏（91）、プロ野球・巨人のオーナーである渡辺恒雄氏（87）など高齢でも精力をみなぎらせている人物には肉の愛好家が多い。現在101歳の医師・日野原重明氏も週に2回はステーキ80グラムを食べているという。

「種類は何でもいいので、最低でも6食に1食は肉類をメインにした食事にしましょう。肉類に含まれるコレステロールは性ホルモンの原材料で、不足するとインポテンツの原因になります。主に明治時代以降、日本人は肉類を食生活に取り入れるようになりましたが、肉類の消費量と平均寿命の上昇値は一致している。肉は免疫力を高めてスタミナを養い、長寿を実現する食材ということです」（前出・志賀医師）

　ただし、コレステロールの過剰摂取はメタボのみならず、動脈硬化につながるおそれがある。欧米人ほど肉食化するのではなく、和食に肉類を取り込む適度な食生活を心がけたい。また、中高年の勃起は、精神的側面とも切り離せない問題であり、その対策を臨床心理士が解説する。

「主に夫婦（カップル）療法と行動療法があります。夫婦（カップル）療法では、悩みを抱える本人だけの問題ではないと定義して、夫婦（カップル）と1～2名のセラピストが面談します。行動療法では、セラピストが依頼人本人の行動を変える手助けをして、問題を克服します」

　この手のメンタルクリニックやサロンへ足を運ぶのは気が重いという人には、医療手段もある。

「男性ホルモンを注射するテストステロン補充療法は、投薬3～4カ月後から回復の兆しが見られると言われています」（中村医師）

　健全な勃起こそが健康のバロメーターである。オヤジたちよ勃ち上がれ！