手術する包茎オヤジが激増「死んだ時に見られるのが恥ずかしい」 ツイート 2013/10/10 包茎手術といえば、若い世代の悩みに思えるが、近年、包茎手術を行う中高年層が増えている。かつてのように男の“シンボル”を立派に見せるだけではなく、病気予防にもなるという。今からでも知っておきたい最新事情に迫った。「現在、うちの病院で包茎手術を受ける患者は、40~70代が全体の4割を占めています」 そう語るのは、男性泌尿器科専門の新宿形成外科、岡和樹.院長。中高年層になって、なぜ手術を決断するのだろうか。「包茎の方は、亀頭にかぶっている包皮の部分に、陰毛を巻き込んだ経験がある方が多いと思います。陰毛を巻き込むと亀頭に傷ができて、若い頃は治す力が強いのですが、年齢とともに治りが悪くなり、そのうちに新しい傷ができる。それを繰り返すと、包皮炎という病気になってしまうのです」 包皮炎になると、亀頭も皮膚も腫れ上がり、強い痛みを伴う。陰毛をカットしたり、皮をムケば防げそうだが、中高年層に多いメタボ体型だと、下腹部に脂肪が溜まり、おなかにペニスが埋まり、皮が下がって亀頭にかぶってしまうのだ。 包茎状態になれば、また別の病気のリスクもある。「包茎は亀頭と包皮の間にカスが溜まり、恥垢(尿や皮膚の老廃物)となり、臭いがキツくなるなど、雑菌の温床になります。その状態で性交渉をすると、感染症を引き起こすリスクが高い。また亀頭周辺に白い小さなイボが増えて、陰茎にカリフラワー状の突起ができる尖圭コンジローマという病気にかかりやすくなり、最悪の場合は、陰茎ガンになる可能性もあります」 新潟県立がんセンターのホームページによれば、陰茎ガンは陰茎に発生する比較的まれなガンではあるが、老化に伴い60~70代に多く認められ、患者の80%以上が包茎だったと伝えている。だが一方で、患者の中には、病気の防止だけが手術を受ける理由ではなかった。「自分の死期を考え始めると、老人ホームで介護を受けたり、死んだ時に親族に体を拭かれることを想像するようです。『包茎を見られるのが恥ずかしい』という男の“矜持”で、手術をご希望されるケースもあります」 やはり最期の瞬間まで、包茎のコンプレックスを抱えるのは、男性心理と言っていいだろう。現在の包茎手術も技術的にはかなりの進歩を遂げている。その心身への負担も中年であっても、若い世代もほとんど変わらないという。「手術では痛みを感じさせないため、当院では3段階で麻酔をします。まずテープ状の予備麻酔を手術個所に貼り、50~80%の感覚を落として、そのうえで最も細い針で麻酔注射を行います。治療後に痛まないよう、術後麻酔もするので、よほど痛みに敏感な人でないかぎり、痛みを感じることはありません」 傷跡が目立たぬよう、顔の美容治療で使われる針と糸を使用している。「当院で勧めているのは、『亀頭下性感帯温存法』という手術です。亀頭下の余剰包皮を切除し、触覚をつかさどる性感帯を傷つけないよう仕上げていきます」 新宿形成外科では行われていないが、他のクリニックによって包茎手術はさまざまだ。「クランプ」という手術では、リング状に穴のあいた金具をペニスにかぶせて、包皮を挟み込んで切除する。サイズは、S・M・Lサイズの器具から選ぶという“大胆”なもの。高度な医療技術を必要としないため、手術時間は速いが、完成度は決して高くないとされている。 また、「切らない」を売りにしていたクリニックの中には、皮膚の余っている部分でシワを作り、そこに人体用のアロンアルファでくっつけて半ば強引に“非包茎”にする方法もあるが一長一短なので、事前のカウンセリングで納得できる手術法を選ぶのが肝心だ。「ペニスの皮膚は平常時・勃起時で上、下、左、右で長さが違います。場所ごとに長さを細かく測らないと、皮が余ったり足りなくて突っ張った状態になります。ペニスは均一の色ではないので、縫い合わせが悪いと縫合跡が目立って、ツートンカラーになるケースもあります。どういう手術を選ぶかは自分しだいですが、いろいろなクリニックでカウンセリングを受けて、納得したうえで選択するべきでしょう」 岡院長のもとには他のクリニックで包茎手術に失敗した患者が相談に訪れる。その中で、驚愕のペニスを目撃したことがあった。「美容外科をうたったクリニックで手術を受けたのですが、縫合個所が線路のようにデコボコ。包茎手術なのに亀頭も包まれて縫合されていて、ペニスを見た瞬間、最初は何かわからなかった。患者さんは風俗店に遊びに行ったら、女性に拒否されたそうですが、同性から見ても驚くほどですから‥‥」 中高年だからこそ、男のコケンに関わる包茎手術に踏み切る気持ちはわかるが、切る前に最低限の知識は身につけておきたい。 タグ: 中高年よ、今こそ包茎と向き合おう!,週刊アサヒ芸能 2013年 10/10号 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [東京都] [東京都] [愛知県] [石川県] [岐阜県] [香川県] [静岡県] [北海道] [福島県] [北海道]
包茎手術といえば、若い世代の悩みに思えるが、近年、包茎手術を行う中高年層が増えている。かつてのように男の“シンボル”を立派に見せるだけではなく、病気予防にもなるという。今からでも知っておきたい最新事情に迫った。
「現在、うちの病院で包茎手術を受ける患者は、40~70代が全体の4割を占めています」
そう語るのは、男性泌尿器科専門の新宿形成外科、岡和樹.院長。中高年層になって、なぜ手術を決断するのだろうか。
「包茎の方は、亀頭にかぶっている包皮の部分に、陰毛を巻き込んだ経験がある方が多いと思います。陰毛を巻き込むと亀頭に傷ができて、若い頃は治す力が強いのですが、年齢とともに治りが悪くなり、そのうちに新しい傷ができる。それを繰り返すと、包皮炎という病気になってしまうのです」
包皮炎になると、亀頭も皮膚も腫れ上がり、強い痛みを伴う。陰毛をカットしたり、皮をムケば防げそうだが、中高年層に多いメタボ体型だと、下腹部に脂肪が溜まり、おなかにペニスが埋まり、皮が下がって亀頭にかぶってしまうのだ。
包茎状態になれば、また別の病気のリスクもある。
「包茎は亀頭と包皮の間にカスが溜まり、恥垢(尿や皮膚の老廃物)となり、臭いがキツくなるなど、雑菌の温床になります。その状態で性交渉をすると、感染症を引き起こすリスクが高い。また亀頭周辺に白い小さなイボが増えて、陰茎にカリフラワー状の突起ができる尖圭コンジローマという病気にかかりやすくなり、最悪の場合は、陰茎ガンになる可能性もあります」
新潟県立がんセンターのホームページによれば、陰茎ガンは陰茎に発生する比較的まれなガンではあるが、老化に伴い60~70代に多く認められ、患者の80%以上が包茎だったと伝えている。だが一方で、患者の中には、病気の防止だけが手術を受ける理由ではなかった。
「自分の死期を考え始めると、老人ホームで介護を受けたり、死んだ時に親族に体を拭かれることを想像するようです。『包茎を見られるのが恥ずかしい』という男の“矜持”で、手術をご希望されるケースもあります」
やはり最期の瞬間まで、包茎のコンプレックスを抱えるのは、男性心理と言っていいだろう。現在の包茎手術も技術的にはかなりの進歩を遂げている。その心身への負担も中年であっても、若い世代もほとんど変わらないという。
「手術では痛みを感じさせないため、当院では3段階で麻酔をします。まずテープ状の予備麻酔を手術個所に貼り、50~80%の感覚を落として、そのうえで最も細い針で麻酔注射を行います。治療後に痛まないよう、術後麻酔もするので、よほど痛みに敏感な人でないかぎり、痛みを感じることはありません」
傷跡が目立たぬよう、顔の美容治療で使われる針と糸を使用している。
「当院で勧めているのは、『亀頭下性感帯温存法』という手術です。亀頭下の余剰包皮を切除し、触覚をつかさどる性感帯を傷つけないよう仕上げていきます」
新宿形成外科では行われていないが、他のクリニックによって包茎手術はさまざまだ。
「クランプ」という手術では、リング状に穴のあいた金具をペニスにかぶせて、包皮を挟み込んで切除する。サイズは、S・M・Lサイズの器具から選ぶという“大胆”なもの。高度な医療技術を必要としないため、手術時間は速いが、完成度は決して高くないとされている。
また、「切らない」を売りにしていたクリニックの中には、皮膚の余っている部分でシワを作り、そこに人体用のアロンアルファでくっつけて半ば強引に“非包茎”にする方法もあるが一長一短なので、事前のカウンセリングで納得できる手術法を選ぶのが肝心だ。
「ペニスの皮膚は平常時・勃起時で上、下、左、右で長さが違います。場所ごとに長さを細かく測らないと、皮が余ったり足りなくて突っ張った状態になります。ペニスは均一の色ではないので、縫い合わせが悪いと縫合跡が目立って、ツートンカラーになるケースもあります。どういう手術を選ぶかは自分しだいですが、いろいろなクリニックでカウンセリングを受けて、納得したうえで選択するべきでしょう」
岡院長のもとには他のクリニックで包茎手術に失敗した患者が相談に訪れる。その中で、驚愕のペニスを目撃したことがあった。
「美容外科をうたったクリニックで手術を受けたのですが、縫合個所が線路のようにデコボコ。包茎手術なのに亀頭も包まれて縫合されていて、ペニスを見た瞬間、最初は何かわからなかった。患者さんは風俗店に遊びに行ったら、女性に拒否されたそうですが、同性から見ても驚くほどですから‥‥」
中高年だからこそ、男のコケンに関わる包茎手術に踏み切る気持ちはわかるが、切る前に最低限の知識は身につけておきたい。