[水戸正晴の競馬予想ブログ]サンスポ、水戸正晴の万券を生む血統論「ダークシャドウの好走必至」

　今週は伝統の一戦「天皇賞・秋」が東京で行われる。フェノーメノが年内全休となり、ジェンティルドンナとエイシンフラッシュが人気を分け合う形が予想される中、万券王・水戸はアンコイルドを波乱の使者に指名した。

　堅く収まることが多い天皇賞・秋だが、今年はどうだろう。

　前哨戦の毎日王冠をみごと制し、復活を遂げた昨年の覇者エイシンフラッシュと、宝塚記念以来4カぶりの実戦になるが、ここ目標に仕上がりのよさを誇示する女傑ジェンティルドンナが人気を分け合うことになるか。

　続いて重賞3連勝中と破竹の快進撃を続けるトウケイヘイロー、ジャスタウェイ、ダークシャドウ、そしてコディーノ、レッドスパーダの藤沢和勢に、ダノンバラードなどが有力候補としてあげられるだろうか。

　毎度のこと興味尽きないGI戦だが、どうも今回は下馬評どおり順当に収まるとは思いにくい。

　エイシンフラッシュは、春最後の一戦となった香港でのGIクイーンエリザベスII世C（3着）は、前走比での体重が11キロ減。これが敗因の一つと思われるが、半年ぶりとなった毎日王冠は、それからわずか3キロしか体重が増えていなかった。つまり完璧に仕上がっていたわけで、前走からの上積みは期待しづらいのではないか。というか2走目の反動が気がかりだ。

　ジェンティルドンナはいくら予定の行動とはいえ、やはり久々の一戦というのが気になる。56キロで戦える有利さもあり、勝たれてしまえばゴメンナサイと頭を下げるほかないが、穴党としては素直にこの女傑から入るわけにはいかない。

　いずれにしても、この最有力2頭を“絶対視”できない。他の有力どころも、それぞれ不安点を抱えており信頼性に乏しい。ならば、ひと波乱あっていい。

　穴党として狙ってみたいのは、アンコイルドだ。

　前走の京都大賞典でも当欄で推奨。連対を果たして期待に応えてくれた。ゴールドシップの凡走は予想外だったが、伏兵ヒットザターゲットの勝利にも驚かされた。しかし、ヒットザターゲットが好位のインでムダのない走りを見せてくれたのに対し、アンコイルドは位置取りが後ろすぎた。周囲の馬にもまれていたこともあり、ロスもあった。スムーズだったら、この馬の勝利に終わったはずだ。

　その際にも書いたことだが、一時のひ弱さはすっかり影を潜め、使われるたびにたくましさを増してきている。前々走の札幌記念は極悪馬場での競馬。強敵相手によく3着に頑張っていたが、その反動もなく、京都大賞典ではあのようなすばらしい走りを見せてくれたわけだ。いかに目覚ましい充実ぶりにあるかがわかる。

　この中間も順調そのもの。稽古の動きもよく、好気配を誇っている。ならばGI戦のここでも期待できるというものだ。息の長い強靱な末脚がこの馬の身上。〈2100〉と広くて長い東京コースに実績があるのもうなずけるところである。

　血統が、またいい。曾祖母トリリオンは名牝で、その子に“鉄の女”とたたえられた女傑トリプティク（英チャンピオンS連覇などGI9勝）がいる。近親にこれだけの活躍馬がいる良血。一気に頂点に上り詰めて不思議ない存在。よほどの外枠（府中の芝二千は多頭数になるほど外枠は不利を被りやすい）を引かないかぎり、大きく狙ってみたい。

　相手は前述した人気、有力どころとなるが、中でもダークシャドウへは厚めに買いたいところだ。

　前走の毎日王冠は先行馬有利の流れの中で、よく頑張ってみせた。馬体の張りが戻って一時のスランプを脱した感がある。コース、距離とも得意で、好走必至と見た。

　あとはコディーノ。こちらも使われて一変。好気配を誇っている。