[水戸正晴の競馬予想ブログ]サンスポ、水戸正晴の万券を生む血統論「“ジェンティルドンナ絶対”じゃない」 ツイート 2013/11/21 今週、東京で行われる「ジャパンC」は、外国馬3頭が参戦予定も、日本のスピード競馬に合うのか不安のほうが大きい。迎え撃つ日本勢はジェンティルドンナが断然の人気。今年はまだ未勝利だが、はたして連覇なるか。 海外遠征をしたオルフェーヴル、キズナの顔がない。無理せず有馬記念一本に備えてのこと。当然のこと昨年の覇者、女傑の名をほしいままにするジェンティルドンナが圧倒的支持を得ることになるだろう。 外国勢は3頭。どれも魅力に乏しい。シメノンは、8戦の障害経験がある典型的なマラソンランナー。日本のスピード競馬に対応できるか、どうか。 ジョシュアツリーは3年前、このJCに挑戦している。10着に敗れたが、勝ち馬とは3馬身差。勝負どころで不利がなければ際どかったかもしれない内容だった。ならば、と思いたいところだが、先の凱旋門賞では先導役を買って出るもバテて大敗。歯が立たなかった。前走のGIカナディアン国際Sを勝って勢いづくが、これも速い時計での決着には疑問符が付く。 残るは最後に挑戦を表明したドゥーナデンだが、こいつは2400メートル戦での実績はかなりのもの。軽視は禁物だ。それでも、この秋のフォワ賞でオルフェーヴルに手も足も出ず、9頭立ての8着。東京が舞台では役者が違うのではないか。 ということで、女傑ジェンティルドンナからの“2着探し”が、筋か。 なるほど、前走の天皇賞・秋ではジャスタウェイに完封され、2着に敗れたが、4カ月ぶりの実戦が響いてのもの。この中間、大幅な良化ぶりを見せており、まともなら期待どおりのパフォーマンスを披露してくれることだろう。 しかし、これでは穴党としておもしろくあるまい。無理筋を承知で少しばかり、いや、大いに斜に構えてみようか。 女傑が人気を裏切ったレースを振り返ってみると、意外にモロい面があることに気づく。チューリップ賞(4着)と、この春の宝塚記念(3着)だ。ともにレース間隔が開いてはいたが、勝ち馬に3馬身も斬り捨てられている。体重が大幅に増えていたということがなくてだ。この馬は、レースセンスはあるものの、他馬をねじ伏せる強烈な決め手は持ち合わせていない。このへんにつけいる隙があるのではないだろうか。 名は伏せるが、何人かの名騎手が、こういうことを言っていた。 「驚くほど強いという馬ではない。これならブエナビスタのほうが上だ」 我が意を得たりで、実績からくる印象度で過大に評価しているのではないだろうか。いずれにしても、女傑を絶対視するわけにはいかない。 ただ顔ぶれを見ると、これはという馬がいないのも確かだ。そういう際は「血統」を重んじてみよう。 不思議なものでGIの大一番ともなると、この血統がモノを言う。それまで快進撃を続けていた馬がもろくも敗れ去り、評価どおり活躍できていなかった馬が一気に花開くということが往々にしてあるのだ。 例えば94年、GI初挑戦だったマーベラスクラウンは、6番人気を覆して、みごとジャパンCを制している。こうした前例もある以上、穴党としては思い切っていきたい。 期待したいのは、スピルバーグである。脚部不安で14カ月半も戦列を離れている間、心身ともに大きな成長を遂げたことに関係者でさえ驚きを隠せないでいる。長期休養明けとなった条件戦を使って、一息入れたあと、ポンポンと連勝。この2戦の内容がすばらしくよかった。 「別馬に変身したようだ。どんな流れにも対応できるようになった」 と、藤沢和調教師が目を丸くするほど。準オープンを勝ち上がったばかりなのにJCに挑戦するのはそれゆえで、この馬の秘めた能力を期待しているからこそだ。オープンで活躍中のトーセンラーの全弟で、GI勝ちのフラワーアリーほか近親、一族に重賞勝ち馬がキラ星のごとくいる良血。 この中間の稽古の動きは軽快そのもの。「このぶんなら大仕事も‥‥」と、藤沢和師の声が弾んでいたが、そのとおり、今の充実ぶりからすると、周囲をアッと言わせて不思議はないと見ている。 タグ: シメノン,ジェンティルドンナ,ジャパンC,ジョシュアツリー,スピルバーグ,ドゥーナデン,水戸正晴,競馬,週刊アサヒ芸能 2013年 11/28号 エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [愛知県] [宮城県] [高知県] [愛媛県] [茨城県] [宮城県] [東京都] [栃木県] [群馬県] [三重県]
今週、東京で行われる「ジャパンC」は、外国馬3頭が参戦予定も、日本のスピード競馬に合うのか不安のほうが大きい。迎え撃つ日本勢はジェンティルドンナが断然の人気。今年はまだ未勝利だが、はたして連覇なるか。
海外遠征をしたオルフェーヴル、キズナの顔がない。無理せず有馬記念一本に備えてのこと。当然のこと昨年の覇者、女傑の名をほしいままにするジェンティルドンナが圧倒的支持を得ることになるだろう。
外国勢は3頭。どれも魅力に乏しい。シメノンは、8戦の障害経験がある典型的なマラソンランナー。日本のスピード競馬に対応できるか、どうか。
ジョシュアツリーは3年前、このJCに挑戦している。10着に敗れたが、勝ち馬とは3馬身差。勝負どころで不利がなければ際どかったかもしれない内容だった。ならば、と思いたいところだが、先の凱旋門賞では先導役を買って出るもバテて大敗。歯が立たなかった。前走のGIカナディアン国際Sを勝って勢いづくが、これも速い時計での決着には疑問符が付く。
残るは最後に挑戦を表明したドゥーナデンだが、こいつは2400メートル戦での実績はかなりのもの。軽視は禁物だ。それでも、この秋のフォワ賞でオルフェーヴルに手も足も出ず、9頭立ての8着。東京が舞台では役者が違うのではないか。
ということで、女傑ジェンティルドンナからの“2着探し”が、筋か。
なるほど、前走の天皇賞・秋ではジャスタウェイに完封され、2着に敗れたが、4カ月ぶりの実戦が響いてのもの。この中間、大幅な良化ぶりを見せており、まともなら期待どおりのパフォーマンスを披露してくれることだろう。
しかし、これでは穴党としておもしろくあるまい。無理筋を承知で少しばかり、いや、大いに斜に構えてみようか。
女傑が人気を裏切ったレースを振り返ってみると、意外にモロい面があることに気づく。チューリップ賞(4着)と、この春の宝塚記念(3着)だ。ともにレース間隔が開いてはいたが、勝ち馬に3馬身も斬り捨てられている。体重が大幅に増えていたということがなくてだ。この馬は、レースセンスはあるものの、他馬をねじ伏せる強烈な決め手は持ち合わせていない。このへんにつけいる隙があるのではないだろうか。
名は伏せるが、何人かの名騎手が、こういうことを言っていた。
「驚くほど強いという馬ではない。これならブエナビスタのほうが上だ」
我が意を得たりで、実績からくる印象度で過大に評価しているのではないだろうか。いずれにしても、女傑を絶対視するわけにはいかない。
ただ顔ぶれを見ると、これはという馬がいないのも確かだ。そういう際は「血統」を重んじてみよう。
不思議なものでGIの大一番ともなると、この血統がモノを言う。それまで快進撃を続けていた馬がもろくも敗れ去り、評価どおり活躍できていなかった馬が一気に花開くということが往々にしてあるのだ。
例えば94年、GI初挑戦だったマーベラスクラウンは、6番人気を覆して、みごとジャパンCを制している。こうした前例もある以上、穴党としては思い切っていきたい。
期待したいのは、スピルバーグである。脚部不安で14カ月半も戦列を離れている間、心身ともに大きな成長を遂げたことに関係者でさえ驚きを隠せないでいる。長期休養明けとなった条件戦を使って、一息入れたあと、ポンポンと連勝。この2戦の内容がすばらしくよかった。
「別馬に変身したようだ。どんな流れにも対応できるようになった」
と、藤沢和調教師が目を丸くするほど。準オープンを勝ち上がったばかりなのにJCに挑戦するのはそれゆえで、この馬の秘めた能力を期待しているからこそだ。オープンで活躍中のトーセンラーの全弟で、GI勝ちのフラワーアリーほか近親、一族に重賞勝ち馬がキラ星のごとくいる良血。
この中間の稽古の動きは軽快そのもの。「このぶんなら大仕事も‥‥」と、藤沢和師の声が弾んでいたが、そのとおり、今の充実ぶりからすると、周囲をアッと言わせて不思議はないと見ている。