前代未聞! NHK「飛田新地ルポ」の衝撃中身! 電飾輝く入口をバックに「ここは飲食店です」 ツイート 2015/10/19 遊郭の面影を色濃く残す料亭街をカメラが堂々と映す。店舗の看板にはボカシが入っているものの、メイン通りに軒を連ねる料亭が次々と映し出されたのだ。 「看板が両サイドにあって、提灯があって、風情があるよね」 「お姉さんが手を振っている。あっ、かわいい」 「吉原はソープランドになっちゃったけど、こちらは料亭として残っているんです」 9月23日に放送された、NHKの教養バラエティ「探検バクモン」で飛田新地に潜入。出演者たちは電飾輝く入り口をバックに思い思いの感想を口にした。そして玄関口にまであがり込むや、ふだんは女性が座る座布団にあぐらをかいたり、女性を艶やかに照らすライトをもてあそぶ姿までがお茶の間に流されたのである。 飛田新地がテレビで、しかもNHKで取り上げられようとは─。 同番組はこの日、「日本労働ブルース」と題し、人口2万人、日本最大の日雇い労働者の街である、大阪のあいりん地区、通称・釜ヶ崎を取り上げた。司会を務める爆笑問題が、釜ヶ崎育ちのラッパーSHINGO☆西成とともに、釜ヶ崎とその周辺を探険。知られざる歴史スポットを訪れたあと、かつては吉原と並ぶ日本最大規模の遊郭として知られた飛田新地にも潜入したのだ。 番組では、飛田新地が大正時代に造られ、戦前には2000人を超す女性が働いていたこと、現在も170軒を超える料亭が軒を連ね、さまざまな事情を抱えた女性たちが少なからず働いていることを紹介。あくまでも飲食店としての紹介で、サービスの内容には触れなかったが、釜ヶ崎が最後にたどりつく町で、生き抜くために、男は日雇い、女は飛田が迎え入れてくれると締めくくった。 「料亭内部にまでカメラが入ったなんて前代未聞。吉原と同じように大門があり、遊女たちが逃げ出せないようにされていたのは初めて知った。同地で働く女性が近所の子供たちと仲よくしていても、何をしているか知ると、とたんに口を聞いてもらえなくなるエピソードなど考えさせられました」(大阪在住20代会社員) そうした称賛する声がある一方で、近隣地区に住む主婦たちは苦言を呈す。 「子供たちの手前、あの地域は“ないことになっている”家族も多い。近くに住む人たちだけでなく、子供に聞かれたら、多くは『近づいたら、あかん』と教え込んでいます。それをNHKが取り上げるのは、存在を知らしめるだけでなく、お客さんをも誘発してしまうのではないですか」(西区在住30代主婦) 一方、番組ディレクターは番組ホームページの「観戦後記」で〈時に、街のあり方が議論を呼ぶ場所でもあります〉としながら、〈この街を必要とし、そしてこの街で支え合い生きている人たちがいる。そしてそれを可能にしているのがこの街に通う人情だと思います〉と番組制作の意図を伝えている。 今回NHKが飛田新地を番組で取り上げたことは大英断。だが、それ以上に驚かされたのは、飛田新地を取り仕切る飛田料理組合が、撮影の許可を出したことだ。通常は新地内の写真、映像の流出を徹底的に防ぐため組合員にパトロールまでさせているのだ。その背景について事情通が話す。 「企画は、NHKが飛田新地の活性化に尽力するSHINGO☆西成にアプローチし、彼が組合を説得した。本来であれば当然、門前払いですが、4月に組合の執行部が大幅に若返り、活動的になっていたことで、中の仕事を一切見せない、触れないことを条件にOKが出たんです」 今、飛田新地は、日本一の高層ビル「あべのハルカス」から歩いて行けることが中国のガイドブックでも紹介されるなど観光地化している。来年生誕100周年を迎える飛田新地では、さらなる集客増を図るためにも、イメージアップに取り組んでおり、そのことがNHKの放送にもつながったようだ。NHKの功績が、どのような形で実を結ぶか興味深い。 タグ: マニアック,飛田新地,探検バクモン,NHK エリア選択 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 韓国 [茨城県] [栃木県] [静岡県] [鹿児島県] [愛媛県] [静岡県] [静岡県] [岐阜県] [沖縄県] [茨城県]
遊郭の面影を色濃く残す料亭街をカメラが堂々と映す。店舗の看板にはボカシが入っているものの、メイン通りに軒を連ねる料亭が次々と映し出されたのだ。
「看板が両サイドにあって、提灯があって、風情があるよね」
「お姉さんが手を振っている。あっ、かわいい」
「吉原はソープランドになっちゃったけど、こちらは料亭として残っているんです」
9月23日に放送された、NHKの教養バラエティ「探検バクモン」で飛田新地に潜入。出演者たちは電飾輝く入り口をバックに思い思いの感想を口にした。そして玄関口にまであがり込むや、ふだんは女性が座る座布団にあぐらをかいたり、女性を艶やかに照らすライトをもてあそぶ姿までがお茶の間に流されたのである。
飛田新地がテレビで、しかもNHKで取り上げられようとは─。
同番組はこの日、「日本労働ブルース」と題し、人口2万人、日本最大の日雇い労働者の街である、大阪のあいりん地区、通称・釜ヶ崎を取り上げた。司会を務める爆笑問題が、釜ヶ崎育ちのラッパーSHINGO☆西成とともに、釜ヶ崎とその周辺を探険。知られざる歴史スポットを訪れたあと、かつては吉原と並ぶ日本最大規模の遊郭として知られた飛田新地にも潜入したのだ。
番組では、飛田新地が大正時代に造られ、戦前には2000人を超す女性が働いていたこと、現在も170軒を超える料亭が軒を連ね、さまざまな事情を抱えた女性たちが少なからず働いていることを紹介。あくまでも飲食店としての紹介で、サービスの内容には触れなかったが、釜ヶ崎が最後にたどりつく町で、生き抜くために、男は日雇い、女は飛田が迎え入れてくれると締めくくった。
「料亭内部にまでカメラが入ったなんて前代未聞。吉原と同じように大門があり、遊女たちが逃げ出せないようにされていたのは初めて知った。同地で働く女性が近所の子供たちと仲よくしていても、何をしているか知ると、とたんに口を聞いてもらえなくなるエピソードなど考えさせられました」(大阪在住20代会社員)
そうした称賛する声がある一方で、近隣地区に住む主婦たちは苦言を呈す。
「子供たちの手前、あの地域は“ないことになっている”家族も多い。近くに住む人たちだけでなく、子供に聞かれたら、多くは『近づいたら、あかん』と教え込んでいます。それをNHKが取り上げるのは、存在を知らしめるだけでなく、お客さんをも誘発してしまうのではないですか」(西区在住30代主婦)
一方、番組ディレクターは番組ホームページの「観戦後記」で〈時に、街のあり方が議論を呼ぶ場所でもあります〉としながら、〈この街を必要とし、そしてこの街で支え合い生きている人たちがいる。そしてそれを可能にしているのがこの街に通う人情だと思います〉と番組制作の意図を伝えている。
今回NHKが飛田新地を番組で取り上げたことは大英断。だが、それ以上に驚かされたのは、飛田新地を取り仕切る飛田料理組合が、撮影の許可を出したことだ。通常は新地内の写真、映像の流出を徹底的に防ぐため組合員にパトロールまでさせているのだ。その背景について事情通が話す。
「企画は、NHKが飛田新地の活性化に尽力するSHINGO☆西成にアプローチし、彼が組合を説得した。本来であれば当然、門前払いですが、4月に組合の執行部が大幅に若返り、活動的になっていたことで、中の仕事を一切見せない、触れないことを条件にOKが出たんです」
今、飛田新地は、日本一の高層ビル「あべのハルカス」から歩いて行けることが中国のガイドブックでも紹介されるなど観光地化している。来年生誕100周年を迎える飛田新地では、さらなる集客増を図るためにも、イメージアップに取り組んでおり、そのことがNHKの放送にもつながったようだ。NHKの功績が、どのような形で実を結ぶか興味深い。