【一杯酒場】　東京・東池袋「たちのみや喜平」

巨大な酒問屋併設だからこそ揃う
美酒の数々を立ち飲み価格で。

池袋に巨大な本社を構える酒の卸問屋「平喜屋」。そこで18歳から働いてきたという西塚哲郎さんは、定年前に企画書を出し、会社の1階で立ち飲み屋を始める。店名は社名をもじって「たちのみや喜平（きっぺい）」。60歳で定年退職後も、そのままひとりで店を切り盛りするバイタリティの人だ。

もちろん酒の品揃えは膨大で、壁一面に洋酒や焼酎などの瓶が並び、冷蔵庫にはビールや日本酒が揃う。全てが原価に近い破格で、ふらりと寄って2,3杯、その日の気分で様々な酒を選ぶことができ、近隣の勤め人たちにとってはまさにオアシスだ。倉庫から日光に触れず直行してくる麦酒はあきらかに味が違うというが、料理に関しては「勘で作ってるよ」と笑うご主人。その暖かい人柄も人気の秘密だろう。

200円からの小皿料理は、謙遜とは裏腹に酒のつまみに申し分ない品々。人気のマカロニサラダは濃厚でボリュームもあり、ビールや酎ハイに最高だ。毎日ダシをつギタしながら作られるおでんには、独自に味付けした刻みネギが乗り、そこらの居酒屋も逃げ出すレベル。思い切って店で最高級の部類に入る「喜平 純米大吟醸 雄町の雫」（500円）と合わせると、あまりにも華やかな香りとのハーモニーに夢心地となった。

たちのみや喜平
住所：東京都豊島区南池袋2-29-16
電話：無し
営業時間：月～土 16:00～21:30
定休日：日