[亀谷敬正の競馬予想ブログ]亀谷敬正「プロフェッショナル血統塾」「例年の傾向ならリスグラシュー」

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2017/11/09

[亀谷敬正の競馬予想ブログ]亀谷敬正「プロフェッショナル血統塾」「例年の傾向ならリスグラシュー」

エリザベス女王杯が古馬混合で行われるようになったのは今回で22回目。それまでは、JRAには古馬の牝馬限定GⅠはありませんでした。「クラシック戦線でお金を稼げなかった。勝つことはできなかった牝馬のために作られた救済レース」であることは確か。

実際「牝馬3冠で稼げなかった、勝てなかった馬」という視点で馬券をアプローチするのも有効です。エリザベス女王杯で馬券になるのは「キャリアの少ない馬」がほとんど。3歳春までに稼げなかった馬の救済レースですからね(笑)。

過去5年、馬券になった15頭中13頭はキャリア15戦以下。キャリア15戦以下は過去5年で複勝率35%、複勝回収率110%です。

血統で注目すべきはサドラーズウェルズの血。この血は欧州の主流血統。しかし、JRAのクラシックが行われる距離では縁のない血でもあります。サドラーズウェルズの血はスピードを減らしてスタミナと馬力を強化するからです。

しかし、エリザベス女王杯は欧州の外国馬スノーフェアリーが連覇したり、欧州馬タイガーテイルが大穴で3着に入るなど「欧州の重厚な血」がクラシック以上に走りやすい条件。

その理由は、エリザベス女王杯が牝馬3冠、クラシックが行われない2200メートルで行われるからです。

競馬で要求される能力の方向性は一定方向ではありません。クラシックとは要求される能力の方向性が違う距離で行われるエリザベス女王杯は、クラシックに縁のない「欧州の重厚な血」が走るのでしょう。

とはいえ、今年はクラシック実績馬が強そうですねー。ヴィブロスもミッキークイーンも3歳で牝馬3冠レースを勝っていますが、キャリアがまだ15戦以内。

特にヴィブロスは牡馬と対決すべきレベルにあるような気もしますが、同じ馬主が牡馬混合のGⅠと戦う馬(シュヴァルグラン)を所有しているので容赦なくここに使ってきます。

例年の傾向ならリスグラシューでしょうか。母系にサドラーズウェルズとミルリーフを持つ馬。先に書いたように、この2つの血は欧州の主流血統ですが、日本では反主流の血。だからこそ、クラシックとは方向性が違うこのレースに強い血統なのです。

ヴィブロスを育てたのに乗り替えられた(?)福永騎手の救済レースでもあってほしいです。


◆プロフィール 亀谷敬正(かめたに・たかまさ)専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。コンビニのコピー機でも予想を配信(Eプリント 亀谷で検索)。