大阪市淀川区にある街・十三は、阪急電鉄十三駅の西側にある国道176号線の十三交差点付近を中心に広がるエリアを指す。
駅前に風俗店があるという、大阪随一のピンクタウンとして名を馳せている。特に十三駅の南側は、居酒屋やキャバレー、スナック、パチンコ店、ピンサロ、ラブホテルなどが混在した雑多な街並みで、妖しげな雰囲気を醸している。
一方で、十三の南側に流れる淀川は、都心部にもかかわらず手付かずの自然が残っており、野鳥や水辺の生物を見ることが出来るという、ネイチャーな一面もある。
ピンク目的以外でこの街に降り立つとすれば、ミニシアター系映画館「第七藝術劇場」目当てだろう。経営悪化などで2度ほど休館しているが、ファンと地元商店街の市民出資型映画館として生まれ変わり、再び開館している。
この地域独自のソウルフードも生まれている。まずは江戸時代に渡し船場があり、そこで営業していた餅屋「十三屋わび助」と、同じく渡し場で親しまれた「今里屋九兵衛」のあんこが入った焼「十三焼」。そして餅明治創業の和菓子店「永楽堂寿浩」の生和菓子「十三大橋」だ。これら老舗の和菓子を食べながら淀川沿いを歩き、当時に思いを馳せてみるのもいいかもしれない。
ここからメジャーにのし上がったソウルフードと言えば「ねぎ焼き」だろう。全国どこのお好み焼き屋でも見られる「ねぎ焼き」だが、元々は十三にあるお好み焼き屋「やまもと」が発祥で、商標登録されている。