駅前にホテル街があることから、ラブホテルのメッカとして知られる鶯谷は、意外なことにかつては文学人が多く住み、下町の別荘地帯でもあった。正岡子規が住んでいたことは有名で、彼は鶯谷についての俳句を多く残している。
ラブホテルが多いことからさぞ風俗の街かと思われる鶯谷だが、総じて文学的な土地なのだ。
近年人気の「谷根千」のひとつである根岸があり、若者を中心とした観光客に人気の土地だ。都会にありながら喧騒とは無縁の狭い路地を歩くと、「寛永寺」などの寺院が点在し、絶好の散策コースとなっている。また、「入谷鬼子母神」では日本最大の「朝顔まつり」が開催され、江戸の情緒を今に伝えている。
夜は、駅前の路地に密集する飲み屋でしっぽりするのが吉。昔懐かしい大衆居酒屋からB級感漂う立ち飲み屋、そしてガールズバーまで幅広い。
ちなみに、意外にも店舗型風俗店は皆無、デリヘルの事務所が中心となっている。駅前の大衆立ち飲み屋で一杯ひっかけたら、老舗のリーズナブルなホテルにデリヘル嬢を呼びひと遊び、なんて大人の遊びができる場所である。
また、鶯谷はJR通勤している吉原のソープ嬢が利用する駅でもある。静かな街に似つかわしくない派手な女性が駅に降り立ち、タクシーに乗り込み、もしや……なんて妄想も楽しめる土地なのだ。
最近では、「ももいろクローバーZ」がライブ会場として使用したことから知名度がアップした「東京キネマ倶楽部」も鶯谷にある。