[片山良三の競馬予想ブログ]武豊番、片山良三の栗東ナマ情報「キズナの前走は道悪巧拙の差」

キズナが大阪杯を勝ち損ねた原因の大きな一つとして、武豊騎手が珍しく気負ったことがあげられると思う。追い切りの直後から「文句なしのデキ。ここで負けてはいけない馬です」などと、ハードルをみずから上げる発言を連発。佐々木調教師などは「G1ホースが6頭もそろっているのに、すごい強気だよね。こちらとしてはヒエー、ヤメテという感じ」と、冗談とも本気ともつかない表情で話していたものだ。

騎乗ぶりも強気一辺倒だった。いつもならまだジッとしている3コーナー過ぎから堂々と動きだし、直線に入ってすぐのところで先頭。横綱相撲で押し切ろうとしたところをインで我慢していたラキシスに寝首をかかれてしまったという内容。2馬身差という字面だけ見れば完敗のようだが、実はそうでもない。

ふだんどおりの競馬をしていれば、道悪の巧拙の差があったにしても勝っていた競馬だったと思う。つまり、キズナの評価を下げる必要はまったくないということだ。

そのうえ、大阪杯後のキズナの立ち直りの早かったこと。翌週の水曜日に山田調教助手を乗せて馬場に出てきたところを見たが、これぞ完璧なキズナのシルエット。「名馬の銅像みたい」と、武豊騎手が太めをうまく表現していたものだが、ついに銅像らしさがそぎ落とされて、このままパドックに出したいぐらいのラインが戻っていたのだ。こうなったからには、今度こそ、負けてはいけない馬だ。

騎手会長として競馬を盛り上げたい、でも個人として何としても勝ちたい、という思いがあるはずの武豊騎手が、直前の追い切りのあと、どれほどの強気に出るかどうかが見モノだ。しかし、どういうムードを醸し出そうとも、ここは負けないと思っているに違いない。自信の本命。

相手はウインバリアシオン。屈腱炎に2度も泣かされた馬だが、今回は「デビュー以来、最もいい状態」と竹邑厩務員。年齢的にも、ここは残り少ないビッグチャンスなはずで、馬券の絶好の狙い目。

サウンズオブアースは、菊花賞がすばらしい内容。休み明け初戦は案外だったが、叩いてこの距離なら順当に変わりそう。

人気になるゴールドシップだが、一度は出ないと表明した過程がイヤ。

NHKマイルCは、早くからここに目標を定めてブレなかったニシノラッシュ。ミュゼスルタンも変わり身必至。